北の国からの食うか食われるかのハードボイルドブログ
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『サバイバルチンコ』その4 〜小説シリーズ〜
2010年01月12日(火) 16:39
これは広い宇宙の数ある一つ、青い星の物語…

第四話
「そして絶望はより完璧に」


時刻は19:42
19:00スタートだが、一番の人から30分以上の遅れは正直痛い。

4日後の19時には一人を残して、全員死んでいるのか…
いや、もしかしたら全員…

俺はガタガタと震えた。
寒いからじゃない。不安に駆られたからだ。
そう、この校舎を出たところには血に飢えた童貞共がウヨウヨいるのだ…!!

俺はドキドキしながら校舎の扉まで行った。
これはラブレターを受け取って体育倉庫に行くときとはまた違ったドキドキである。
はっきり言ってこんなドキドキ求めてない。
この学校のつくり的に、校門から外に出るにはグラウンドを通らなければならない…。
俺は扉の前まで着くと深呼吸を一回、二回…そして三回し扉を開けグランドへ飛び出した。

「うおおおおおおおおおお!!」

俺は扉を開いた途端に校門に向かって猛ダッシュした。
ここにいるのはマズイと本能的に察したからだ。

「ほぎゃああ!!」

しかし普段走りなれていない俺は自分のもつれた足に躓き豪快にコケた。

「ててて…。…はッッ!!」

驚いた。
俺がコケたその目の前にはなんと落とし穴があったのだ。
不幸中の幸い。間一髪であった。
そしてその落とし穴の中には無数の竹やりが仕込まれており、無残にもサラリーマン金次郎が全身を貫かれ息絶えていた。

サラリーマン金次郎 死亡
 
「金次郎ぉぉおおーーーー!!!!」

俺は特にこれといってこの人に縁もゆかりもないが、とりあえず叫んでおいた。

それがまずかった。

叫んだ俺めがけ、物陰から一人の男が釘バット片手に走ってきたのだった!

「ほわああ!!」

俺はコンマ2秒で腰を抜かした
俺は奴を知っていた。
そう、奴は「童貞番長」の通り名で恐れられている、あの西高の番長だったからだ!!
あの偏差値5以下の全国の札付きのワル達が集まることで有名な西高。
そこで留年を繰り返し、実に7年もの間、西高の頂点に君臨している男だ…ただ者ではない…!!
そういったことも踏まえて「番長+釘バット=無限大」という計算式をコンマ2秒で導き出した俺は、瞬時にその圧倒的戦力差の前に腰を抜かしたのであった。
なまじ偏差値が高いがゆえの見切りの早さであった。

童貞番長「しねえええええええええええ!!」

「うわああああああああああ!!」

童貞番長「ぬあああ!!」

童貞番長は雄たけびと共に俺の視界から消えた。

くぅ!瞬時に俺の背後を取った!?

わけはなく、
どうやら落とし穴へ落ちたようだ。

童貞番長 死亡 

「番長ぉおおおおおおおおお!!!」

一応叫んだが、はっきり言って彼は注意力散漫である。
よくよく回りを見回してみると、大量の落とし穴が掘ってあり、何人か落ちている。南無。

この落とし穴作戦、一見単純に見えて、童貞たちの恐怖に駆られた精神状態、くわえて夜の暗闇という二つの条件を見事に利用した、狡猾かつ残虐な戦法である。
これを作ったのはいったいどんな悪魔なんだ…。
俺はそんなことを思いながら、学校を後にした。

〜一方その頃、教室〜

そこではホッチキスで綴じられた書類を手にした教師がうなっていた。

教師「凄いねえ…今年はやはりレベルが高いねえ…
…だけどその中でもとりわけ注目すべきは…やはりこの5人か」

加藤マカ
身長176cm体重68kg年齢25
一度優勝経験を持つ男。なんで未だに童貞かは不明。
この優勝経験が大きなアドバンテージなのは言うまでもない。
クレーン射撃でのオリンピック出場経験があり、その射撃の能力は他を寄せ付けない。
元々、戦闘力・頭脳・ルックスともにそれなりに高いバランス型に加え、このように一芸も持ち合わせている。
あえぎ声がキモイのが玉にキズ。

テレンテ・レー
身長186cm体重92kg年齢28
元フランス傭兵部隊所属。恵まれた体格に加え、軍式徒手格闘、サンボ、ブラジリアン柔術、カポエラなどを習得しているため、近接戦闘では恐らく敵なし。
加えて傭兵での経験から銃器の取り扱いにも長け、今大会優勝候補筆頭である。
わりと声が高い。

メガネ
身長165cm体重39kg年齢22
大学生。IQ6700の頭脳を持つ天才。
8ヶ国語で産声を上げ、生後一ヶ月で微分積分を解いた。
身体は凄い華奢なのでわずかな振動で骨が折れる。そのためとにかく衝撃に弱い。
通称「歩くスーファミ」

J・孫
身長体重年齢不詳
なんと驚くなかれ3度の優勝経験を持つ快楽殺人者。
その異常性癖ゆえ大会に参加するため生きている。
容赦のないプレーに定評のある残虐超人。戦闘能力は未知数。
今大会の要注意人物。
ちなみに親戚に会うたび「彼女できた?」と聞かれるので、それがイヤであまり親戚の集まりには行かない。

教師「そして…『あの男』か…。
ククク…この5人はもちろん、その他の奴も他の大会なら優勝してもおかしくない奴らばかりだ。やはり間違えなく史上最高レベルに仕上がっている。」
?「さて、誰が僕のところまで来ますかね?」
教師「ふふふ、キミは誰が来ると思う?」
?「そうですね…どれも捨てがたいが、可能性の高い人としてはやはり『あの男』…そして…」
教師「そして?」


?「近藤…太郎…!!」


続く
…かな?
『サバイバルチンコ』その3 〜小説シリーズ〜
2010年01月05日(火) 14:27
これは広い宇宙の数ある一つ、青い星の物語…

第三話
「奏でられる絶望への序曲」


そんなこんなで殺し合いが始まる…
教室はじっとりとした空気に包まれていた

殺し合いのルールはこうだ。

金的目潰し武器使用ありというなんでもありの究極のバーリトゥードルール。
武器は教室を出る際にランダムに与えられるものを初期装備とする。
もちろん他人のものを使ってもいい。
そしてここは無人と化した田舎町。他にもこの町にあるものはなんでも使用可能だ。

そう、ざっくばらんに言うと殺し合いにルールもクソもないのだ。

しかしルールらしいルールも存在する。
期限は4日間なのだ。
そして注意すべきは、それ以内に一人にならない場合、残り全員のチンコが爆発するという。
また、この田舎町から出てもチンコが爆発するという。


周りを見渡してみる。
受験を思い出す。
どいつもこいつも俺よりも賢く見えやがる…
部活の大会を思い出す。
そしてどいつもこいつも俺よりも強そうに見えやがる…

俺は生き残れるのだろうか…

教師「準備はいいかな?では今から物資を配り、校舎を出たところから開始とする。」

ついに始まるのか…

「ゴクリ」

俺は生唾を飲み込んだ。
決してエロイ事を考えているわけではない。
ましてやこの状況で興奮するような変態でもない。
そう、何を隠そう単純に緊張しているのだ。

俺は近藤太郎。名前順で言うと「こ」…早いほうである。
この戦い、早くに呼ばれたほうが圧倒的に有利である。
このアドバンテージを生かさない手はない…!!

教師「一番。渡辺重蔵(わたなべじゅうぞう)」

な、なんだと!?
「わ」ってお前、めちゃくちゃ後ろのほうじゃねえか!
俺は手を挙げ叫んだ。

「この順番は何順なのですか!?」

教師「年齢順だ」

!!

年齢順…だ…と…!?

教師「亀の甲より年の功ということだ。童貞期間が長い者へのせめてもの慰めだ。ちなみに亀の甲と亀の頭をかけてるんだ☆」

な、なんだって…!!
俺はこの中ではとりわけ若い…!!
クソ!!圧倒的不利じゃねえか!!!

「終わった…」

俺は腰から崩れ落ちた。

教師「ほら、渡辺、早く出てこい!」

にしても今大会最年長の童貞か…
いったいどんな奴なのだろうか…

老人「すまんのぅ…歳を取ると耳が遠くなってのぅ」

!!

教室中がどよめいた
そこにいたのは老人だったからだ。
おそらく70歳以上はあるだろう…
なんだこのじいさんは…仙人かなんかなのか…!?

老人「ほっほっほ…」

老人はリュックを受け取ると、薄気味の悪い笑みを浮かべて教室の外へ消えていった。

それから次々と名前が呼ばれていく
案の定、教室には俺が残った。

教師「29番。近藤太郎」

「はい!」

うん。いい返事。
昔から返事だけはいいって褒められたんだ。
ついに俺が呼ばれた。

教師「残り物には福があるっていうしなあ。くくく」

「く!」

俺は教師から与えられたリュックを乱暴に取ると、教室から出た。

教室の外で、俺はさっそく荷物の中を確認することにした。

たしかに順番では圧倒的不利だった。
しかしこの荷物の中の「武器」によってはこの勝負、どう転ぶかわからない…!!

俺の与えられたリュックの中のものは、なにやらゴツゴツしている…そしてこのずっしりとした重み…

これは…まさか…!!


そう、プレステ3だった。

「欲しかったんだこれ!!」

俺は歓喜した。
そして、それを地面に力いっぱい叩き付けた。

「いるかボケぇええ!!」

普段ならば死ぬほど喜ぶはずのプレステ3も今の俺にとっては、ただ重いだけの機械に過ぎない。
そう、ゆとりのある時間が合ってこそのゲームなのだ。
やはりプレゼントもTPOが大事だと思った。

そんなこんなで俺の望みは絶えた。

そう、文字通り絶望したのだった…


続く…
かな?
『サバイバルチンコ』その2 〜小説シリーズ〜
2009年12月20日(日) 16:17

これは広い宇宙の数ある一つ、青い星の物語…

第二話
「魂の咆哮」


俺は斎藤を力いっぱい肩を揺すったが、反応はなかった。
斉藤は完全に沈黙していた。そう、天に召されたのだ。
俺は激怒した。

俺「斎藤が何をしたって言うんだ!!てめえ!!」
教師「て、手元が狂いました…本当すいません…」

教師は本気で反省していたので許すことにした。
うん、そうだよね。本気で反省している人を責めれるはず、ないよね。

教師「お前らにはこれから殺し合いをしてもらう。最後の一人になるまでね。異論がある者は…あそこにいる斉藤君のようになってもらうがね」

教室は不気味なほど静かになった。

「あのぅ」

その静寂の中、一人の男が手を挙げた。ひ弱そうな顔をしたサラリーマン風の男である。

「こんにちは、サラリーマン金次郎です。あの、質問なんですが…。なんで私たちがこんな思いをしなきゃいけないんですか?な、なんでこんなことさせるんですか…?」

弱々しい震えた声で質問する彼だったが、ここで質問できるのは見た目とは裏腹に相当度胸があると思った。

教師「それはお前らが…」

『・・・・・・・・』

教師「童貞だからだ!!」

『ッッッッッ!!!』

『な、なんだってーーーー!!!』

教師「全国の童貞ネットワークから無作為に選び出した30名…いや29名か。それがお前らだ!!そしてここで最強の童貞を決めてもらう!!」

金次郎「そ、そんな…」

サラリーマン金次郎は腰から崩れ落ちた。
教室中の男たちが己が運命を呪った。
そしてそれはすなわち今の今まで「童貞」という事実を改めて恨んだ瞬間でもあった。

「あの、童貞の定義について質問なんですけど」

そこでメガネの男が手を挙げた

教師「よろしい。何かね?」
メガネ「素人童貞の人は童貞になるんですか?」

実に的確な質問である。
正直気になるところではあった。

教師「いいや。非童貞だ」

その言葉に教室中がざわめいた。
メガネも納得がいかないといった表情で声を荒げた

メガネ「素人童貞ですよね!風俗でお金を払ってやってるわけですよね!?それって逃げじゃないですか!!ちょっとそれ不平等ですよ!!」

みんなメガネを胴上げしたいと言わんばかりの表情でうんうんと頷いた。
もちろん俺も心から賛同した。
しかし教師は叫んだ。

教師「黙れ童貞!!」

『ッッッッ!!』

教師「逃げ?不平等?知ったことか!!性行為とは肉と肉のぶつかり合いだ!それ以上でもそれ以下でもないわ!所詮人間は肉と肉のぶつかり合いでしか分かり合えない悲しい生き物なのだ!!」

メガネ「そ、そんな…」ガクッ

メガネは腰から崩れ落ち、そのまま床に倒れると白目になりピクピクと小刻みに震えていた。
腑に落ちないが、ここではコイツ「教師」が法なのだ…!!
チキショウまだ女も知らないのに殺し合いなんてしたくない…
俺はそう思った。そしてみんなもそういった表情であった。
しかし教師の一言がそんな空気を変えた。

教師「ちなみに優勝者には賞品として高級ソープの無料券が与えられます。」

『・・・・・・・・え』

教師「ちなみに無期限です」

『・・・ウ』

『ウオオオオオオオオオオオオ!!!!!』

みんな俄然やる気になった。
気づけば全然乗り気じゃなかった高田順平先生も吼えていた。
そして弱々しい表情をしていたサラリーマン金次郎も「サラリーマンをなめるなよおおお!!」とさっきまでとはまるで別人である。
そして驚くべきはさっきまで白目でピクピクしていたメガネは立ち上がり拳を振り上げている。
かく言う私も斉藤の肩を揺すりながら「お前の分までがんばるよ!!」と叫んでいた。

こうして童貞の童貞による童貞のための戦いの火蓋は切って落とされたのであった!

生き残るのは誰だ!!


続く
…かな?
『サバイバルチンコ』その1 〜小説シリーズ〜
2009年12月19日(土) 00:45
これは広い宇宙の数ある一つ、青い星の物語…

第一話
「死ぬ死ぬ言ってるやつに限って死なないよね」


俺はどこにでもいる普通の高校生、近藤太郎。
今、俺は教室にいる。
高校生が教室にいること…。至極当然のことである。
いや、でも待って欲しい!違う!違うのだ!
俺がいるのはたしかに教室だが、それは見知らぬ場所なのだ。
そして周りの席には見知らぬ男たちがいる。
なんでこんなことになったのだろう…。
俺は少し前のことを思い出していた。

放課後、俺は帰宅しようと下駄箱を開けるとそこには手紙が入っていた。
俺はそのときビビッときた。「まさか!?」と。
俺は高鳴る鼓動を抑えながら、手紙をよく見てみる。

「近藤君へ(はぁと)」

間違えない!間違えないぞこれは!!
俺は目を見開き、その手紙の封をむさぼる様に開いた。

「近藤君へ、話したいことがあります。体育倉庫の裏で待ってます(はぁと)」

俺は歓喜した。
人目のつかない体育倉庫の裏で男と女がやることといったら…あれでしょう!
俺は急ぎつつも、それを悟られぬよう、清く慎ましく速歩きをし体育倉庫の裏へ向かったのだった。
体育倉庫についた。俺はゆっくりと深呼吸を、1回、2回…そして3回した。
よし…いける!
俺は体育倉庫の裏へピョンと飛び出した。

「ハーイ!待ったぁー?」

…そこには誰もいなかった。
まだ来ていないのかな?そう考えながら俺は待つことにした。
そのとき背後に潜む気配にも気づかずに…!!

我ながら迂闊だった。
そう、俺は背後からクロロホルムをかがされたのだった!
俺の薄れ行く意識の中、脳裏によぎったのは、杉本彩のAVデビューのことだった…

そういうわけでここに連れて来られたらしい。
いったいここはどこなのだ。
よくよく見てみると、ここには男しかいない。そして男たちの年齢は異なる。
だいたい周りを見渡した感じ、平均10代後半〜30代ほどと実にバラバラである。
いったいこれから何が行われると言うのだろうか…
考えても答えは出そうにないので、俺が杉本彩のAVデビューについて考えようとすると、前の席の男が振り向いてきた。

「こ、近藤!近藤じゃん!久しぶり!」
「あ!斉藤!!」

そう、そこにいたのは中学の頃の親友、斎藤一郎だった。
彼は中学途中で引っ越してしまい、かれこれ4年ぶりの再会であった。
俺は心細さから解放され、せっかくだし斎藤とともに思い出話に花でも咲かせようかなと思っていたそのときである。教師らしき男が教室に入った来た。

教師「起立!」

みんなパブロフの犬のごとく反射で立ち上がる。

教師「礼!」

みんなパブロフの犬のごとく反射で礼をする。

教師「着席!」

みんなパブロフの犬のごとく反射で席に着く。

教師「みなさんにはこれから殺し合いをしてもらいます!」

みんなパブロフの犬のごとく反射で殺し合う…わけもなく教室がざわめいた。
斎藤がテンパって「何故!」などと叫んでいる。俺も「マジかよ!」などと一応叫んでおいた。

教師「邪ッ!!」

そんな教室を教師は一声で黙らせた。

『ッッッッ!!』

教師「質問のある者は手を挙げなさい」

「おい!貴様!」

立ち上がったのは俺の隣の席の、幸の薄い感じの男だった。

「なんのおふざけだこれは!私は高名な小説家だぞ!こんな茶番に付き合うつもりはない!私は原稿の締め切りがあるのだ!!」

自分で高名とか言っちゃうとかなんだこいつ…。と思った。が、この男、どこかで見たことがある…
!!
そこにいるのは「おっぱい探偵ゆきえ」シリーズの著者で知られる高田順平先生であった!
俺はサインを貰おうとケツポケットから「おっぱい探偵ゆきえ〜ゆきえVS下着泥棒〜」を取り出そうとした。その瞬間である!

教師「質問は手を挙げてからにしろやあああ!!」

教師は怒号とともにナイフを投げた!
そして突き刺さったのであった!!

斎藤「うごお!」

斉藤の顔面に!!

「斎藤ぉぉぉぉおおおおお!!!」

斎藤「ぶほらっ!俺はどうやらここまでらしい…」
「斎藤!お、おい!しっかりしろ!」

斉藤は頭から大量の血を噴出した。

斎藤「し、死ぬ前にお前に会えて…本当に…よ、よ」
「さ、斎…藤…?」

斎藤「よっちゃん…」ガクッ

「斎藤ぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!」


続く
…かな?
『BOKI〜キミに届け俺達の音〜』その4〜小説シリーズ〜
2009年12月04日(金) 22:20
Track 4「Dream」




あれから4年。

俺はサラリーマンになった。
あれだけ社会の歯車と馬鹿にし続けたサラリーマンに俺はなった。
「社会の歯車」
あの頃はそう思っていたが、その歯車になるのがいかに大変なことか、俺は何一つわかっていなかった。
大きい歯車、小さい歯車…たくさんあるけど、歯車が一つでも掛けたら動くものも動かない。
そんな簡単なことに今までどうして気づけなかったんだろう。

仕事を終え、駅から自宅へ向かう途中の俺は、ふとCD屋に目がとまった。

そういえばずいぶんCDなんて買ってなかったっけ…

そう思った俺はそのCD屋に吸い込まれるように入っていった。
なんとなくCDを漁ってみる。
昔夢中になっていたけど、いつからか恥ずかしくなって聴かなくなったバンド…
ジャケ買いして後悔したバンド…
友達に薦められて聞き始めたバンド…
そこにはいろんなバンドが、いろんな思い出があった。

「あ…」

俺は思わず声を出した。
端のほうにひっそりとあったのは3ピースバンドとしてファーストアルバムを出した…
そう、BOKIであった。

あいつら、ついに夢、掴んだんだな…

ふとアルバム名を見た

『ジ・RO』

俺は熱くなる目頭を押さえながらジ・ROをレジへ持っていった。

二郎「これ、下さい」


忘れてた夢、忘れたい夢、そして、もう忘れなければいけない夢…あると思う。
だけどそれを本気で夢見た自分だけは、忘れないで欲しいと思うんだ。

俺に届け、俺の音


ちなみにヘビメタだった。
カラス避けにした。

〜Fin〜
『BOKI〜キミに届け俺達の音〜』その3〜小説シリーズ〜
2009年12月04日(金) 02:13
Track3「An attack」


さっきまでスマブラをやっていた和やかな部屋は、さっきまでのそれとは違う、さながら顧問がブチ切れた後の部室のようなピリピリとした空気が立ち込めていた。
最初に動き出したのはTAROだった。

TARO「え、マジで…いいの?」
ジ・RO「おう、みんな恨みっこなしな」

俺はみんなの顔を見てこう言った。
そう、今後にしこりが残るようならこれはまったくの逆効果だからだ。

TARO「…じゃあ言わせて貰うけど、お前ボーカル駄目だろ。下手だし高音まったくでないし」
ジ・RO「え」

予想外の俺へのバッシング。
ジャブにしては強烈過ぎる一撃であった。
俺はよろめきながらも、すがるような目でKATSUOとNORIOを見つめた。

KATSUO「…たしかに」
NORIO「あそこまで気持ちよさそうに歌われると言いにくかったよね…」

援護はなかった。
それどころか体勢を崩した俺にワンツーフォローと連打が襲ってきたのであった。

ジ・RO「い、いや!でも!みんなで担当決めたじゃん!!」

俺はそう叫んだ。
生物が大声を出すときは身を守るためであること多い。

TARO「いやいや、お前になんも楽器できないからって言われて必然的にそうなっただけでしょ」
KATSUO「あー、そんなだったなー」
NORIO「目立ちたいって魂胆が見え見えだったよねー」
ジ・RO「え、あ、ちょ、」

俺にはもう立ち上がる気力はない。
しかしこれはバーリトゥード。
そんな俺をマウントに取り、ノーガードになった俺の顔面に容赦のない連打が浴びせられる。

TARO「てかジ・ROってなんだよ。モビルスーツかっつーの!普通にJIROでいいじゃん」
KATSUO「ジ・ROは昔から目立ちたがり屋だったしなー」
NORIO「うんうん。一時期名前の後ろに∞とか付けてたしね。」

うぅ、まさかここまでボロクソに言われることになろうとは。しかも俺だけ。
まったくの予想外である。
追い込まれた俺は決心した。ジョーカーを出すことを。

ジ・RO「そ、そんな言うなら!もうこんなバンドやめてやる!」

『………』


…あ、あれ?


TARO「まあ、本人が言うんなら…なあ?」
KATSUO「しょうがない…よな」
NORIO「俺はお前のこといつだって応援してるからな」

ジ・RO「チ、チッキショオオオオ!!」

俺は部屋から飛び出した。


続く
『BOKI〜キミに届け俺達の音〜』その2〜小説シリーズ〜
2009年12月02日(水) 19:27
Track2「Crisis!!」


ジ・RO「なんでだよ!?なんでやめるなんて言うんだよ!」
KATSUO「そうだぜ!俺たちやっとバンドっぽくなってきたとこじゃん!」
NORIO「納得のいく説明してくれよ!」

TARO「…」

TAROは口を開かなかった。

この日、四人でKATSUOの家でスマブラをしていたとき、唐突にTAROが「バンドを辞めたい」と言ってきたのだ。
それを聞いたとき、俺は突然のことに何がなんだかわからなくなり、とりあえずTAROのカービィーを俺のドンキーで担いで自爆したのだった。

ジ・RO「TARO…なんとか言ってくれよ…なあ、俺たちいつだっていっしょにがんばってきたじゃん!!」
TARO「いつだって?いっしょに?…笑わせんなよ。」

『!?』

TARO「てめえらカスどもと、こんなクソバンドやってらんねえんだよ!!」

『ッッッッッ』

衝撃だった。このバンドははっきり言って無敵。世界を牛耳れるバンドだと思っていたからだ。
「クソバンド」
この五文字でそんな俺の夢、そして価値観…全てが脆くも崩れ去っていったのであった。
そう、よくよく考えてみればたしかにクソバンドだったからだ。

KATSUO「なんだとおコラァ!!」

そう真っ先に感情を露にしたのはKATSUOだった。
KATSUOはTAROのアロハシャツの襟を乱暴に掴み叫んだ。
無理もない。誰よりも頑張り屋で、一番にバンドのことを考えてきたKATSUOにとって、クソバンドという現実は余りにも受け入れ難いものだった。
そしてこの季節にアロハシャツはないだろと俺は思った。

TARO「離せよ…俺はもうやめるって決めたんだ。もうそれでいいだろ?」
KATSUO「お前はそれでよくても、俺らはそれじゃ困るんだよ!」
NORIO「そうだぜ!俺らにはお前が必要なんだよ!」

二人が必死になるのも無理もない。
TARO。お前を失うわけにはいかない。
だってお前がやめたら新しいドラムを見つけなきゃいけないじゃん。
昔から鼻つまみ者であった俺らには、この集まり以外に友達もツテもなく、新たにメンバーを集めることなど不可能に近い。
よって俺らは誰一人かけるわけにはいかなかったのだ。

TARO「いや、そこまで言ってくれるのはうれしいけど。それでも俺の意思は変わらないぜ」

ここで「おまえら…」とならないあたりが強情である。
よほど決意は固いのだろう。無理もない、クソバンドと気づいてしまったのだから。

NORIO「おいおい待てよ!!そんなこと言ったらこのバンドやるために仕事辞めた俺はどうなるんだよ!」

NORIOがたまらず叫んだ。
そう、NORIOは去年まで市役所で働いていたがバンド活動に専念するためにと退職したのだった。
このクソバンドと職を天秤に掛けてこのクソバンドを選ぶあたり、お世辞にも賢い選択とは言えない。というかはっきり言ってバカである。

TARO「しらねえよ…」

そんなTAROに激怒したKATSUOは拳を振り上げた。

ジ・RO「やめろ!!」

思わず俺は叫んだ。
中2からの毎晩かかさず行っている下半身の素振りによって鍛えられたKATSUOのライトハンドで、モヤシどころの騒ぎでないTAROを殴ったらそれこそ殺人事件に発展しかねないからだ。

ジ・RO「みんな、一旦落ち着こう」

俺はそう言うとポケットから飴玉を取り出し3人に与えた。
3人は思いのほか大人しくなった。かわいいものである。

ジ・RO「みんな、いろいろ言いたいこと、溜め込んでたこと、あると思う。今日はそれをみんなで話していこうよ」

我ながらグッドアイディアである。

こうして俺らのバンドは破滅への序曲を奏でだしたのであった。


続く

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