北の国からの食うか食われるかのハードボイルドブログ
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『BOKI〜キミに届け俺達の音〜』その2〜小説シリーズ〜
2009年12月02日(水) 19:27
Track2「Crisis!!」


ジ・RO「なんでだよ!?なんでやめるなんて言うんだよ!」
KATSUO「そうだぜ!俺たちやっとバンドっぽくなってきたとこじゃん!」
NORIO「納得のいく説明してくれよ!」

TARO「…」

TAROは口を開かなかった。

この日、四人でKATSUOの家でスマブラをしていたとき、唐突にTAROが「バンドを辞めたい」と言ってきたのだ。
それを聞いたとき、俺は突然のことに何がなんだかわからなくなり、とりあえずTAROのカービィーを俺のドンキーで担いで自爆したのだった。

ジ・RO「TARO…なんとか言ってくれよ…なあ、俺たちいつだっていっしょにがんばってきたじゃん!!」
TARO「いつだって?いっしょに?…笑わせんなよ。」

『!?』

TARO「てめえらカスどもと、こんなクソバンドやってらんねえんだよ!!」

『ッッッッッ』

衝撃だった。このバンドははっきり言って無敵。世界を牛耳れるバンドだと思っていたからだ。
「クソバンド」
この五文字でそんな俺の夢、そして価値観…全てが脆くも崩れ去っていったのであった。
そう、よくよく考えてみればたしかにクソバンドだったからだ。

KATSUO「なんだとおコラァ!!」

そう真っ先に感情を露にしたのはKATSUOだった。
KATSUOはTAROのアロハシャツの襟を乱暴に掴み叫んだ。
無理もない。誰よりも頑張り屋で、一番にバンドのことを考えてきたKATSUOにとって、クソバンドという現実は余りにも受け入れ難いものだった。
そしてこの季節にアロハシャツはないだろと俺は思った。

TARO「離せよ…俺はもうやめるって決めたんだ。もうそれでいいだろ?」
KATSUO「お前はそれでよくても、俺らはそれじゃ困るんだよ!」
NORIO「そうだぜ!俺らにはお前が必要なんだよ!」

二人が必死になるのも無理もない。
TARO。お前を失うわけにはいかない。
だってお前がやめたら新しいドラムを見つけなきゃいけないじゃん。
昔から鼻つまみ者であった俺らには、この集まり以外に友達もツテもなく、新たにメンバーを集めることなど不可能に近い。
よって俺らは誰一人かけるわけにはいかなかったのだ。

TARO「いや、そこまで言ってくれるのはうれしいけど。それでも俺の意思は変わらないぜ」

ここで「おまえら…」とならないあたりが強情である。
よほど決意は固いのだろう。無理もない、クソバンドと気づいてしまったのだから。

NORIO「おいおい待てよ!!そんなこと言ったらこのバンドやるために仕事辞めた俺はどうなるんだよ!」

NORIOがたまらず叫んだ。
そう、NORIOは去年まで市役所で働いていたがバンド活動に専念するためにと退職したのだった。
このクソバンドと職を天秤に掛けてこのクソバンドを選ぶあたり、お世辞にも賢い選択とは言えない。というかはっきり言ってバカである。

TARO「しらねえよ…」

そんなTAROに激怒したKATSUOは拳を振り上げた。

ジ・RO「やめろ!!」

思わず俺は叫んだ。
中2からの毎晩かかさず行っている下半身の素振りによって鍛えられたKATSUOのライトハンドで、モヤシどころの騒ぎでないTAROを殴ったらそれこそ殺人事件に発展しかねないからだ。

ジ・RO「みんな、一旦落ち着こう」

俺はそう言うとポケットから飴玉を取り出し3人に与えた。
3人は思いのほか大人しくなった。かわいいものである。

ジ・RO「みんな、いろいろ言いたいこと、溜め込んでたこと、あると思う。今日はそれをみんなで話していこうよ」

我ながらグッドアイディアである。

こうして俺らのバンドは破滅への序曲を奏でだしたのであった。


続く
シュールギャグとシリアストークのバランスが絶妙ですね〜

次も期待
>サクラ
ほい!
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ワンパク質 『BOKI〜キミに届け俺達の音〜』その2〜小説シリーズ〜

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